日本陸連は都内で9日、20年東京五輪に向けた若手選手発掘・育成プロジェクト「ダイヤモンドアスリート」の11人を発表した。男子短距離で昨年の南京ユース五輪代表の山下潤(17=福島高)ら、全国から14~18歳の有望株を集めた新制度で、海外遠征などに積極的に派遣していく。強化育成部の山崎一彦部長は「先見性を見て、目利きで選んだ。もちろんメダル、入賞を目指す」と期待した。

 男女11人は現時点の最優秀選手ではない。優先したのは数字では測れない素質。全国に16人いる「エリアマネジャー」が推薦した50人の候補者から選び抜いた。1年ごとにメンバーも再考し、現在の専門種目以外の適性も見極めていく。父訓史さんが3段跳びの日本記録を持つ山下潤も「結果が出るようであれば3段跳びもやっていきたい」と前向きにとらえる。

 「英才教育で国際的な選手を育てる」と同部長は話す。さっそく1月末からは、04年アテネ五輪3段跳び金メダリストのオルソンを育てたスウェーデンのコーチの元へ選手を送る。世界の土俵で競わせるため、英語の特別授業なども行う。

 未知数の選手にかける大胆な制度で、同部長も「極めてグレーではある」と認める。残り5年、磨かれた原石はどのような輝きをみせるのか、注目される。【阿部健吾】