<卓球:全日本選手権>◇第5日◇16日◇東京体育館

 石川佳純(21=全農)が平野早矢香(29)と組んだ女子ダブルス6回戦で妹の石川梨良(りら、17)加藤美優(15)組を下し、順当に4強進出した。全日本選手権では初の姉妹対決を制し、15日に決めた混合ダブルス優勝に続く、シングルスとの3冠獲得に弾みをつけた。今日17日には男女ダブルスの優勝が決定する。

 石川佳が姉の威厳をボールにこめた。1ゲーム目を失い、心に火が付いた。日本リーグで対戦があるが、大舞台で妹梨良と初対決。体にぶつけるほど強烈なスマッシュを繰り出し、2ゲームを奪い返した。第4ゲームも15-13の熱戦。「正直やりにくいですが、姉妹で対戦できたことがうれしい。でも台の上では関係なく勝ちにいくだけだった」。勝利の瞬間は拳を握ったが、妹に駆け寄ると頭をなでた。梨良も「姉のボールはコースも厳しいし、回転もすごい。見習うところが多い」と感心した。

 混合ダブルス、女子ダブルス、シングルスの3冠を達成すれば、女子では60年度の山泉和子以来、史上2人目。妹に加え、この日のダブルスで対戦した伊藤美誠、平野美宇ら若手の躍進に「リオ、東京五輪まで、みんなで競い合っていければいい」。妹分との真剣勝負は、女王の活力でもあった。