【メルボルン27日=吉松忠弘】世界5位で、4大大会初制覇を狙う錦織圭(25=日清食品)が今日28日の全豪オープン準々決勝(日本時間正午以降開始)で、前年覇者で同4位のスタニスラス・ワウリンカ(29=スイス)と対戦する。勝てば全豪では32年佐藤次郎以来、日本男子83年ぶりの4強入り。今大会後の最新世界ランキングで自己最高位を更新する4位以上が見えてくる。

 錦織は、世界29位のクエバス(アルゼンチン)と今大会2度目の練習で調整した。緩急をつける片手のバックハンドは、仮想ワウリンカにうってつけだ。豪打のストロークを展開してクエバスに打ち勝つと、リラックスした様子で笑みを浮かべていた。

 今大会初めて自身よりも上位シードのワウリンカを迎え撃つ。4時間15分のフルセットを戦った14年全米準々決勝以来の対戦だ。26日の4回戦後、「あの試合は戦えるという大きな自信を得た」と、その後の上位進出に向けた転機だったことを明かした。チャン・コーチも「あの試合を経験したことは大きい」と、勝利の再現を期待する。

 昨年の覇者ワウリンカは優勝できないと世界ランキングが降下する。それが勝利への原動力にもなるが、重圧にもなる。チャン・コーチも「相手は緊張する場面が必ず来る」という。そこに錦織は付け込みたい。

 全豪初の4強進出を果たせば、最新世界ランクではワウリンカより上になることが確定。この日の準々決勝で敗れた世界3位のナダルにも180点差と肉薄する。もちろん、下位選手に優勝のチャンスは残されており、錦織が抜かれる可能性もある。しかし、上位3人との差は一気に縮まる。

 8強は、来年の大会で、会場内に写真が飾られるほど価値がある。歴史に名を残す4大大会優勝まで残り3勝。高みになればなるほど「プレッシャーはない」という錦織が、打倒ワウリンカで4強入りだ。

 ◆WOWOW放送予定

 28日午前8時55分~、正午~、午後5時20分~、WOWOWライブ。第10日男女シングルス準々決勝ほか。生中継。放送時間変更の場合あり。