ラグビートップリーグはあす2月1日、プレーオフ決勝が行われる。連覇を目指すパナソニックの田中史朗(30)と初優勝を狙うヤマハ発動機の矢富勇毅(29)は、中学生の頃から戦ってきた同学年のライバルだ。充実のシーズンを送った田中と、苦境を乗り越えた矢富。対照的な2人が、SHとして大一番でぶつかる。試合は東京・秩父宮ラグビー場で、午後2時キックオフで行われる。

 ヤマハ発動機のSH矢富が4年間の苦しみを決勝にぶつける覚悟だ。チームが昨年12月、第2S第4節の神戸製鋼戦に10-40で敗れた後、第5節のトヨタ自動車戦で今季初先発を果たして勝利に貢献。以降、攻撃の柱として活躍して4戦全勝中だ。「清宮(克幸監督)さんが来てからの4年間でいいプレーをしてない。清宮さんを男にさせたい」と優勝を誓った。

 4年間で2度の大けがを負った。同監督が就任した11年に右膝、翌12年に左膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂。「けがは実力だと。当時は体をケアする力がなかった。簡単に行くよりは物語があっていいかなと今は思える」と振り返る。膝への負担軽減のため、リハビリと並行して減量も実施。食事や筋力トレで5キロも減らした。

 復帰後はトレーナーら多くの助言を吸収。今や「この体との付き合い方を学んだ」と話す。昨年11月には5年ぶりに日本代表にも復帰。矢富をキーマンに挙げる清宮監督は「今のヤマハの好調を引っ張っているのは彼。田中(史朗=パナソニック)とずっとライバルでやってきたので、この戦いの見どころの1つになる。いい活躍してくれるでしょう」と期待していた。【大野祥一】