黄金タッグが復活する。ホンダは16日、都内の本社で緊急記者会見を開き、自動車レースの最高峰F1に15年から復帰すると発表した。供給先は英マクラーレンで、88年から5年間にわたり最強帝国を築いて以来、23年ぶりに「マクラーレン・ホンダ」がよみがえる。会見には300人を超える報道陣が集まるなど、日本経済界の活性化まで期待される再結成となった。

 日本中を興奮の渦に巻き込んだ日の丸の栄冠が帰ってくる。思い出す赤と白の車体、乗り込んだ伝説の最強ドライバーたち。会見の壇上でホンダの伊東孝紳社長は「やはり勝つことに一番の意味がある。今回は相当それを強く意識しながら活動したい」と力強く宣言した。今季は31シーズンぶりにチーム、ドライバーが不在となった日本にとって明るい話題となった。

 「マクラーレン・ホンダ」初年度となった88年、故アイルトン・セナ、アラン・プロストを擁して16戦15勝の鮮烈なデビュー年を飾った。同年から製造者やドライバーの部門を4連覇。92年までの5年間80戦で44勝の圧倒的な強さをみせた。ホンダが手掛けたエンジンは、どのメーカーも欲しがるほど、段違いの性能を誇っていた。

 ホンダのF1挑戦は4度目になる。前回(00~08年)は06年から車両も制作したが、リーマンショックの影響などで08年限りで撤退していた。復帰を後押ししたのはアベノミクスによる円安での収益増の他に、F1が来季より環境技術をアピールする技術規則に変わることが大きい。市販車開発と相互に生かすことができ、自動車業界で勝ち残るために、若い技術者に経験の場を与える意図もある。

 「日本全体が元気になっていくことも期待したい」。同社長は日本の経済状況に言及しながら、高らかに声を上げた。急きょこの日に発表された「緊急会見」だったにもかかわらず、会場には300人以上が集まった。周囲からの期待も大きい。日本の旗手として、モータースポーツ界から日本の復活をアピールしていく。

 ◆マクラーレン

 英国を拠点とする自動車の名門チームで、ドライバーのブルース・マクラーレン(ニュージーランド)が創設した。F1には1966年に初参戦し、68年に初勝利を挙げた。製造者部門を98年まで8度制した。今季はメルセデスからのエンジン供給19シーズン目で、正ドライバーはジェンソン・バトン(英国)とセルヒオ・ペレス(メキシコ)。通算勝利はフェラーリに次ぐ歴代2位の182勝。