<バレーボール:W杯女子大会・セルビア3-0日本>◇6日目◇11日◇札幌市の北海きたえーるほか

 日本の今大会での五輪切符獲得が絶望的となった。世界ランク4位の「火の鳥ニッポン」は、同5位セルビアにストレート負け。3敗目を喫して勝ち点10から上積みできず、7位へ転落した。残り5試合にブラジル、米国の2強に加え好調のドイツ戦を残している。3位以上に与えられるロンドン五輪出場権の獲得は、極めて厳しい状況になった。

 北の大地をため息が包んだ。日本がダメージいっぱいの黒星を喫した。上位争いでライバルになるセルビアに完敗。波に乗れないまま3敗となり、五輪出場権獲得の3位以上は困難になった。「自分たちのミスが多くてサーブも走ってなかった。相手の思う展開。何もできなかった」。ベテランのセッター竹下(JT)も唇をかむしかなかった。

 欧州女王の高さと速さに屈した。セルビアはベンチ入り12人平均184・8センチ。日本より11センチ高い参加国中最高の“山脈”は、強打に速攻を交えて攻めてきた。サーブで崩せず「今の我々のブロック力では仕留めるのが厳しい」と真鍋監督。中盤から森や山口(ともに岡山)を投入したが、ムードは変わらなかった。

 スロースターターが致命傷だ。指揮官は「先に8点を取れ」と厳命するが、この日も2セット連続で奪われた。エース木村(東レ)は「勢いがないし、自分たちでリズムをつくらないと」。W杯を逃せば、五輪出場は来年5月の世界最終予選兼アジア予選(上位4カ国、うちアジアは最低1)に懸けることになる。真鍋監督は「可能性ある限りは全力で」と必死に前を向いていた。【近間康隆】