<バレーボール:ロンドン五輪世界最終予選兼アジア予選女子大会>◇最終日◇27日◇東京体育館

 「チーム真鍋」で戦った。五輪出場権を獲得した日本代表の真鍋政義監督(48)は、09年4月に就任すると、日本の知能を結集した。コーチは守備、戦術、ブロック、サーブ担当に分かれ、その意見を尊重する。「女子の金メダル監督は大松さん、山田さんとカリスマ。僕はカリスマじゃないんで縦割りにしない。世界で勝つため、その道のスペシャリストを集めたんです」。

 深夜、各スタッフは渡辺アナリストがそろえたデータを分析する。「睡眠2~3時間ぐらい」で朝食後には1時間のスタッフ会議。約1時間半の全体ミーティングと練習を終えると、休む間もなく他国の試合を偵察する。「それを選手は知っている。だから『全員で』と言うんです」。団結力がチーム力になっている。

 大会中はポケットに歩行計を入れていた。「世界一」のゴロで、1日1万1111歩を目標にする。「僕は究極のプラス思考やから。これもメダルのための試練やと思えばね」。五輪開幕まで60日。心身を使う戦いは、まだまだ続く。【近間康隆】

 ◆真鍋政義(まなべ・まさよし)1963年(昭38)8月21日、兵庫県姫路市生まれ。白鷺中でバレーを始め、大商大高でセッター転向。代表には大商大4年で初選出され、88年ソウル五輪出場。新日鉄で日本リーグ時代3度優勝。選手兼監督として96、97年Vリーグ連覇。99年イタリアのパレルモへ移籍。旭化成や松下電器でプレーして05年現役引退。久光製薬監督として06-07、08-09年プレミアリーグ、06、07年黒鷲旗で優勝。09年4月に女子代表監督に就任。家族は夫人と1男2女。