<バレーボール:ワールドグランドチャンピオンズ杯女子大会:日本3-0タイ>◇第3日◇15日◇東京体育館

 ロンドン五輪銅メダルの日本はアジア選手権覇者のタイに快勝し、2勝1敗で勝ち点6とした。アタッカーを増やす「MB1(エムビーワン)」と称する戦術を続けた日本は、木村沙織(27=ガラタサライ)や迫田さおり(25=東レ)の強打が決まり、接戦の第2セットを29-27で制して押し切った。

 セッター中道がトスを上げると、4人がスパイクを打とうとした。第1、2セットを連取して迎えた第3セット。5-5の場面で本来ならセンターのポジションに入った迫田がトスを要求。コート後方から走ってバックアタックを決めると笑顔がはじけた。迫田は「誰が1点決めても、みんなで喜ぶことができて、危ない場面はみんなで我慢できた」と振り返った。

 今大会から採用した新戦術が、安定感を増してきた。真鍋監督が「日本が同じことをやっても、世界では勝てない」と考え出した「MB1」は、ミドルブロッカー(MB)と呼ばれるセンターを従来の2人から1人に減らし、アタッカーを4人に増やす攻撃的な戦術。タイ戦では先発したアタッカー4人全員が10点以上を稼ぐなど作戦が的中し、真鍋監督も「チームが安定していた」と評価した。

 今年9月のアジア選手権決勝で、ストレート負けを喫した雪辱を果たした。主将の木村は「前回は完敗だったので、今日はリベンジできた」。第2戦で不調だったロンドン五輪メンバーの新鍋が復帰。腰を痛めていた江畑も初めてベンチ入りし、チーム状況は上向き。01年の3位以来、3大会ぶりの表彰台に向けて、大きな1勝を挙げた。【保坂恭子】