<バレーボール:全日本高校選手権北海道代表決定戦>◇22日◇女子決勝◇北海きたえーる

 女子決勝は旭川実が2-0で札幌大谷を下し、9年ぶりに女王の座を奪還して19度目の優勝を飾った。177センチのエース広瀬七海が21得点とけん引。スーパー1年生の活躍で、88年の春高バレーで日本一に輝いた強豪が、完全復活へ向けてのろしをあげた。

 最後も広瀬だった。11度の同点劇を繰り返して迎えた第2セット35-34のマッチポイント。広瀬のサーブがそのまま相手コート中央に落ち、歓喜の瞬間を迎えた。「実は最後のサーブは失敗でした」。先輩たちにもみくちゃにされ、少し頬を赤らめながら言った。

 準決勝の札幌山の手戦は前全日本ユース代表の橘井友香(2年)、決勝は相手エース小室祐里(3年)封じがポイントだった。高いブロックで次々とスパイクを止め、逆に打ち込んだ。観戦したOGで元日本代表の成田(旧姓大懸)郁久美さん(37)は「見るたびに成長しています。北海道で久々に見る逸材。順調なら必ず日の丸を背負う選手になる」と絶賛した。

 就任4年目で今大会初めて優勝した岡本祐子監督(35)も「まだまだ伸びる素材」と大きな期待を寄せる。寮生活では「ニンジンを切ることと皿洗いぐらいしかできない」という広瀬だが、来年1月5日開幕の全国大会(東京体育館)へ向け「メダルを取ってきます」と力強く言った。【中島洋尚】