<女子バレーボール:ワールドグランプリ>◇決勝リーグ◇23日◇東京・有明コロシアム

 日本が大会初のメダルを決めた。この日はベルギーと対戦し、26-24、25-16、25-15でストレート勝ち。勝ち点を12に伸ばした。現在3位のロシアは勝ち点5で、今日24日の最終戦で日本が負けても下回ることはないため、銀メダル以上が確定した。金メダルを目指し、昨年の覇者ブラジルに挑む。首位の日本は最終戦で2位ブラジルに勝つか、負けても2セットを奪い勝ち点1を加えれば優勝が決まる。

 

 エース木村沙織(28=東レ)の右腕がチームを4連勝に導いた。第1セット、10-12の場面から2連続でサーブポイントを決めて同点に追いつくと、24-24の場面でもふたたび連続得点でセットを先取につなげ、一気に流れを引き寄せた。この日10得点を記録した木村は「競ったところで取れたことが2セット目以降につながった」と振り返った。

 世界ランク3位の日本に対しベルギーは22位。序盤は格下の相手に苦しんだ。「決まったと思っても、つながれて逆に失点した。難しかった」と、木村が話すようにレシーブで粘られ、崩されても強打で攻めてくる相手にリードする形を作れなかった。サーブでミスが出るなど我慢の時間もあったが「1点1点を楽しもうと声をかけた」と、木村は声をかけ続けた。1セット目で競り勝ったチームは息を吹き返し、サーブで崩してレシーブでつなぐバレーを取り戻した。

 去年から主将に就任した。つけている背番号3は前主将竹下佳江が背負っていた。「竹下さんのキャプテンシーを受け継ぎたい」と、志願した。この日も言葉で、背中で引っ張った。途中出場して11得点を挙げた江畑も「チームのことを考えて、選手全員に目を配ってくれる。頼りがいがある」と、木村に大きな信頼を寄せる。試合後、木村は「チームがどういう状況でも、自分は必ず高いところで安定してプレーしないといけない」と話した。

 優勝を争うブラジルは世界ランク1位の女王。64年以降の通算成績も42勝76敗と負け越している。だが今の日本には新戦術ハイブリッド6がある。木村は「まだ完成していないけど、どこまでやれるか。できることを出し切りたい」と力強く話した。持てる力を出し切った先に、金メダルが見えてくる。【岡崎悠利】

 ◆ワールドGP順位

 勝ち点制で、3-0、3-1の場合は勝者に3、敗者に0。3-2は勝者に2、敗者に1が与えられる。勝ち点が並んだ場合はセット率、さらに得点率で争う。

 ◆主な国際大会

 年に1度行われる大会はワールドグランプリの他、スイスで行われるモントルーバレーマスターズがある。アジア選手権は2年に1度行われている。3大大会と位置づけられるオリンピック、世界選手権、ワールドカップは4年に1度。この他、グランドチャンピオンズカップ(グラチャン)も4年に1度開催される。これら4大会は開催の周期が異なるため、毎年いずれかの大会が行われている。