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五輪選手村、狭い風呂なしガッカリだ
- 施設見学を終えて選手村を出る北京五輪視察団
【北京18日=高田文太】想像以上の苦境が日本代表を待ち受けている。日本オリンピック委員会と各競技団体、計88人による北京五輪視察団が、選手村などを視察。前日17日の概要説明を受け、視察2日目のこの日は初めて各施設を見学した。ところが最初に訪問した選手村は、6畳1間にベッド2つという狭さに加えてバスタブなし。事前の説明との食い違いが発覚し、驚きと落胆の声が続出した。
ガッカリだった。選手村の宿泊施設は、五輪後は高級マンションとして売り出す予定の新築。期待に胸を膨らませていた視察団に公開されたのは、強引にベッド2つが押し込められた6畳間だった。「トランクを開けて、荷物を広げることもできない」などと、不満の声が続出。北京五輪選手団の市原則之副団長は「外観は良いけど…。本来は1人部屋なのに、2人で使おうとすればこうなる。ほかにも電気系統とか使ってみないと分からない問題もある」と、苦い表情だった。
しかもシャワーはあるが風呂はない。金子正子シンクロ委員長は「お風呂は選手にとって、リラックスできる大事な場所。ここに来るまでは『ある』と聞いていたのに」と、困惑気味だった。今回公開されたタイプ以外にも部屋はあり、数部屋に1つはバスタブ付きの広い部屋があるとの説明もあったが、真相は不明のまま。同委員長は「JOCに掛け合ってフットバスぐらいは準備したい」と話した。
一方、柔道男子代表の斉藤仁監督は「風呂なし」への対策を早くも明かした。同代表は市内の日本企業ホテルを予約済み。風呂はもちろん、サウナなども完備された日本人向けだけに、試合直前まで滞在させる考えだ。「3グループに分けて選手村に入れる。風呂のない部屋を割り当てられても数日なら影響ないはず」と、分宿で最悪の事態を避けたい意向だ。
ほかにもミーティングができる大部屋や、首脳陣が会議できるテーブルを置くスペースが見当たらないなど欠点が相次いだという。選手村は現在も工事中だが、すでに設計図に沿って建築している段階のため、変更できるわけではない。視察団の面々は、大気汚染調査のため一定時間装着したマスクで、険しくなる表情を隠していた。
[2008年1月19日9時19分 紙面から]
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