<高校ラグビー:常翔啓光学園24-15御所工・御所実>◇7日◇決勝◇花園

 常翔啓光学園(大阪第1)が、校名変更1年目で花園の頂点に立った。御所工・御所実(奈良)に24-15と快勝し、4年ぶり7度目の優勝を決めた。WTB国定周央(3年)が3トライを奪うなど、BKの攻撃力で圧倒。前身啓光学園が戦後初の4連覇を成し遂げた第84回大会以来の優勝を飾った。就任5年目の杉本誠二郎監督(37)は公式戦無傷の25連勝で、2度目の花園優勝を果たした。

 常翔啓光学園の最大の武器は、個人の能力を生かした圧倒的な攻撃力だった。その象徴は高校日本代表WTBで明大へ進学を予定している国定。この日も4トライのうち、3つを奪い「この日のために練習してきた。啓光のラグビーは最高」と叫んだ。祖父は東京・目黒(現目黒学院)を率いて花園で5度優勝を誇る梅木恒明さん、父は元日本代表でWTBとして活躍した精豪さんというラグビー一家。4点リードの前半24分に約70メートル独走でトライを奪うなど、華麗なステップで堅守の御所工・御所実の防御を切り裂いた。

 試合前に全選手がテーピングやサポーターにベンチ外の3年生7人の名前をマジックで書き思いを背負った。ベンチ外の3年生が対戦相手のスカウティングを行い、VTRを編集する。主将のプロップ上野は「周囲に支えられていることは忘れずに戦うことができた」と胸を張った。選手の自主性を重んじた杉本監督は「苦しい1年になるはずだったが、選手の明るさに助けられた」と感慨深そうに話した。