<高校ラグビー:東福岡31-5桐蔭学園>◇決勝◇7日◇花園

 桐蔭学園(神奈川)がさわやかに散った。序盤こそ健闘したものの、徐々に地力の差が出て完敗。それでも、浜田大輝主将(3年)が常に口にする「勝っても負けても笑って終わろう」通り、ノーサイドの瞬間は笑顔もあった。「僕は感極まって泣いちゃったんですが、みんなの笑顔で笑えました」と浜田主将は話した。

 東のAシードも、下馬評は低かった。春の全国選抜は8強止まり。関東王者も「西高東低」の高校ラグビー界で「西のB以下」とまで言われた。90キロ超も珍しくないFW平均体重は81・6キロ。スクラムの要でもある右プロップ宮田樹は86キロしかない。それでも、低いタックルと早い集散で一戦ごとに成長してきた。

 WTB竹中祥、FB松島幸太朗のU-17日本代表コンビを擁するエリートぞろいの2年生に対して、3年生は高校日本代表候補すらいない。この日の相手、東福岡は8人。代表候補0での決勝進出も快挙と言えるが「ジャパンがいないからこそ、全員で結束して戦おうと言ってきました」と浜田主将は言う。スーパー2年生を生かすため、27人の3年生が1つになった。

 初優勝こそ逃したが、4年ぶりの準優勝に胸を張った。「すべてを出し尽くしました。悔しさはありません」と浜田主将。ロックの白石勘太郎は「いい夢を見ました」と笑った。8日には横浜に戻り、学校に凱旋(がいせん)する。花園での夢を終え、3年生には「受験」という現実が待っている。