<高校ラグビー:東福岡31-5桐蔭学園>◇決勝◇7日◇花園

 ノーサイドの笛とともに、桐蔭学園(神奈川)フィフティーンは涙をこらえ空を仰いだ。初優勝をかけた2度目の決勝、2年前の準決勝の借りを返す東福岡(福岡)との戦いで完敗。キックミスで1トライを与えたFB松島は、目頭を押さえ「全然力が及ばなかった…」と声を振り絞った。

 攻めて攻めて、ターンオーバーや反則の誘発に成功しても、高校日本代表候補を8人擁する相手の鉄壁の守備は破れなかった。前半15分、右WTB竹中の敵陣への40メートル独走をきっかけに、左WTB金子が1トライで意地を見せたが、その後が続かない。「ファイナルに残ったのは称賛に値する」と話す藤原監督の目も、どことなく寂しそうだ。

 来年は竹中、松島のU-17日本代表コンビら、今大会もチームをけん引したメンバーが最上級生となる。フランカー浜田主将は「いい選手がいっぱいで絶対優勝してくれると思う。来年が楽しみです」と後輩に期待を寄せた。この日、踏ん張りがきかなくなるまで60分間走り続けた竹中は、「力は1年あれば十分伸びる。(東福岡に)2連覇させるつもりはありませんから」と、笑顔で先輩たちのエールを受け取った。【鎌田良美】