アジア初開催の19年ラグビーW杯日本大会開幕まで、今日20日で1年となった。歴史的3勝を挙げた15年イングランド大会から3年。日本代表はジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(48=ニュージーランド)のもと、史上初の8強入りを目標に掲げ、強化を続けてきた。

1年後の本大会に向け、日本代表主将のフランカー、リーチ・マイケル(29=東芝)が都内で取材に応じ、現在の代表、W杯への思いを語った。

主なやりとりは以下の通り。

   ◇     ◇

--あと1年だが?

1年は早いと想像している。W杯はあっという間に来ると思う。

--ベスト8を目指す日本の現時点での仕上がりは?

かなり仕上がってきている。前回は(W杯で)ずっと勝てていない状況で、メンタリティーが全然違う。今は勝つ自信がある。

まずはベスト8に行くことが大事だが、行けば、そこでさらに勝ちたい。

--日本開催の特別なW杯だが?

日本開催のW杯に日本代表として出るのは特別な気持ち。ニュージーランドでやった2011年のW杯より100倍スペシャル。ニュージーランドで15年間過ごして、来年は日本に来て15年目。ラグビーをやっているのは日本が一番フィーリングが合うし、ラグビーを教えてもらったのも日本。ニュージーランドでやっていたラグビーは遊びみたいなもの。うまくなったのは日本だと思っている。

--ジョセフ体制のここまでは?

前回W杯を経験したメンバーが一生懸命やっていて、その経験は大きい。ジェイミーがプランを立てて、その内容の精度を上げ、仕上げるのは選手。

--残り1年で日本代表に必要なことは?

まずは体。もっと走らなければいけないし、パワーも付けなければ行けない。プレッシャーの中での精度をあげなければいけない。あとはゲームマネジメント。スクラム、ラインアウト、キックなど、ゲームプランに関しては自信がある。試合中にどうマネジメントするかで変わってくる。

--1次リーグA組の各チームとの戦いは?

初戦のロシア戦が一番大事。勝って良い流れを作りたい。先を見ると(15年大会の初戦で日本に負けた)南アフリカみたいになってしまう。

--今後の強化は?

フィジカル面、走ることは一番やらなければいけない。どの相手でも、監督が替わってもそこは変わらない。もう一つは、トランディション(攻守切り替え、転換)のスピード。それを、世界一にしなければいけない。前回のW杯前に比べればテストマッチでやっている相手のレベルが全然違う。オーストラリア、アイルランド、イタリア、ジョージア…、良い相手とできるのは大きい。

--11月はニュージーランド、イングランドと対戦するが?

その2試合で、残り1年が分かりやすくなる。やってきたことをすべて出せば、課題、自分たちの足りない部分が見えてくると思う。フィジカルが足りないかもしれないし、スキル、ゲームマネジメントが足りないかもしれない。もちろん2つ勝つのがベスト。勝って自信付けて課題を見つけたい。自分たちの方向性はすごく良い感じだし、怖くはない。

--日本開催を主将として迎えるが?

主将を1回経験しているのは大きいし、いろんなことを予測できる。ホーム開催はプラスの方が多い。スタジアムも慣れているし、時間、天気、暑さも。家族も近くにいて、食事も困らない。周囲の声を気にして集中が切れないようにすることが大事になってくる。

--日本ファンに見せたいものは?

日本人が一番メンタルが強い。それをあらためてもう1度見せたい。勝ちに行って、デカイ相手を倒す姿を日本中に見せたい。それによって、日本の他のスポーツにも良い影響を与えられると思う。