20季ぶりの関西制覇を目指す京産大が、苦しみながら開幕2連勝をつかんだ。開幕節では残り10秒で同大に逆転勝ち。大西健監督(68)は「同志社の後で我々の力を測られる戦い。ああいう戦いになると、『何の魅力もないチーム』と分かったことが収穫です」と振り返った。

「ああいう戦い」とは前半のゲーム運びだ。関大ボールのキックオフで、いきなりのノックオンオフサイドの反則。自陣に攻め込まれ、5分にはラインアウトモールで先制トライを奪われた。自慢のスクラムも破壊力に欠き、前半は19-15。指揮官は思いきって後半開始から右プロップの寺脇駿(3年)、フランカーの城間賢(2年)を投入した。

寺脇は前半終了間際、ベンチにいた大西監督から「(スクラムを)押せそうか?」と尋ねられ「はい!」と即答した。「FWのまとまりがバラバラだった。まとまりを意識しました」と後半3分のスクラムトライに貢献。徐々に京産大の良さが出る展開となり、後半は失点を許さなかった。

それでも元木由記雄ヘッドコーチ(47)の表情は硬い。「残念な試合になった。後半がどうとかではなく、1週間の準備の段階で良くないということ。この1週間をどう過ごしてきたのかに戻らないといけない」。次節は28日に大阪・花園で大体大と戦い、順調に白星を積み重ねると、11月24日の最終節(京都・西京極)で天理大と全勝対決になる可能性が高い。大西監督は「天理まで、無駄にするゲームは1つもない」とチームへ危機感を訴えた。