ヤマハ発動機が、3季ぶりにリーグ戦首位通過を決めた。前節パナソニックに勝利したリコーに40-36。勝ち点28で白組1位を守った。計11トライを奪い合う接戦を制した。開催地選択権を得られた決勝トーナメント(T)1回戦では、NTTコミュニケーションズ(赤組4位)に対する。

相手のミスを突いた。後半23分、逆転を許して28-29にされたが、3分後、敵陣22メートルライン付近で相手がノックオン。スクラムからSOマット・マッガーン(25)が中央を突破し、インゴールに飛び込んだ。同29分には、相手がシンビンを受けると、ラインアウトモールからフッカー日野剛志(28)がトライ。マン・オブ・ザ・マッチ受賞のマッガーンは「セットプレーが安定し、自分の隣にいる強い選手が相手を引きつけてくれるので、チームのおかげのトライだった」と振り返った。

反省材料もあった。前節まで1試合平均約13失点と堅守を誇ったが、この日は今季最大の36失点。自陣インゴール内でキックチャージを受け、トライを許すミスもあった。清宮克幸監督(51)は、淡々と言った。「こんな試合でも勝てたので強くなったのかとも思うが、未熟さ、成長しなければならない部分が出た試合だった」。

3試合のカップ戦を経て、12月から決勝Tに臨む。マッガーンは「チーム内の競争に勝ち、チームとしても精度を高めていきたい」。目標は、リーグ戦首位通過でなく初制覇。そのために、個々の成長とチームの進化を続ける決意だ。【大野祥一】