聖光学院が学法福島を33-7で下し、創部52年目で初の花園出場を決めた。相手のモール攻撃に展開ラグビーで対抗。前半終盤に同点にされたが、後半は4トライ3ゴールで突き放した。学校のある伊達市は東日本大震災後、復興支援を続けている三菱重工相模原(トップチャレンジリーグ)と交流。選手たちは今季、元日本代表の安藤栄次コーチと伊藤雄大コーチ(ともに36)の指導を定期的に受け、悲願の全国切符を勝ち取った。

就任16年目で初めて胴上げされた佐藤忠洋監督(44)は「こんな日が来るとは思わなかった」と3度、宙に舞った。相手の15人全員モールに押され気味の中、一瞬の隙を突いて開始17分に先制。前半終了間際に追いつかれたが、後半11分、相手ゴール前1メートル付近の中央モールからNO8藤田優希弥主将(3年)が勝ち越しトライ。終盤にはFB渡辺唯斗(2年)が連続トライで勝負を決めた。安藤、伊藤2コーチ指導で攻撃時の横方向の固まり(ポッド)を昨年までの2ポッドから4ポッドに変更。藤田主将は「日本代表も同じポッドと聞かされ、うまくはないけど自分たちでもやれた」。球さばきも教わった渡辺唯は「フォワードがエンジンをかけてくれた。バックスの仕事ができた」と胸を張った。

5月から月1回ペースで指導してきた安藤コーチは「基本のスキルを教えただけ。彼らが勝ち取ったもの。その力に少しでもなれたのならうれしい。全国でも聖光学院らしいラグビーをしてほしい」と「教え子たち」を祝福した。【佐々木雄高】