3連覇を目指す天理大が8トライを挙げ、開幕6連勝を飾った。2位には5勝1敗の京産大がつけ、最終節の直接対決(24日、京都・西京極陸上競技場)で勝つか引き分ければ、10度目の関西制覇が決まる。

スッキリとしない締めくくりに、活力を与えてくれたのは付属の天理高が花園出場を決めた知らせだった。48-0の後半24分から、立て続けに3トライを献上。天理大の小松節夫監督も「いい時間帯と、ダメな時間帯があった。最後は受け身。こんな感じだと(大学選手権が)心配になる」と渋い表情を見せていた。

それでもグラウンドでクールダウンをしていると、全国高校大会(12月27日開幕、大阪・花園ラグビー場)の奈良県予選決勝で天理が20-5で御所実を下し、3大会ぶり63回目の花園出場を決めたと知った。同校OBのフッカー島根一磨主将(4年)は今春の教育実習で、同校の生徒を指導。それだけに喜びは大きく「年末年始、(天理大は大学選手権での躍進で)天理を大盛り上がりにしたい。そのためにも、まずは関西で優勝したい」と笑顔を見せた。

天理高が前回花園へ出場時した15年度はノーシード。それでも12月30日の2回戦で常翔学園(大阪第3)に5-3で勝利した。第3グラウンドには5000人が集まり、大会本部はスタンドに入りきれない観客を、グラウンドレベルに誘導する史上初の対応を取った一戦だった。

当時の主将だったBK林田拓朗は天理大3年となり、この日は途中出場。母校の花園出場を喜びながらも「外(ベンチ)からの視点をしっかりと(出場時に)伝えて、修正しないといけない。勝って反省できるのはいいこと」と試合終盤での苦戦を冷静に分析した。