元日本代表CTBの元木由記雄氏(47)が、かつて所属した神戸製鋼の復活優勝を喜んだ。

現在は京産大ヘッドコーチを務めており、この日は京都市内の同校で、大学選手権初戦の慶大戦(16日、金鳥スタ)に向け最終調整していた。

試合会場で古巣の優勝を見届けることはできなかったが「今までと変わったのは、当然のようにハードワークをするようになったこと。そこにカーターら、いい外国人選手も入った。泥臭さを取り戻した上で、1歩先の最先端のことをしている。この強さは、続く可能性があると思っています」と語り、再び常勝軍団になる気配を感じ取っていた。

トップリーグ元年となる03年を最後に優勝から遠ざかった原因については「いろんな要因があるが、メンバーがうまくそろわなかったことも1つ。コーチが変わったり、勝てないことで、負けに慣れてしまっていた。V7戦士が抜けた後に、厳しいことをやる文化がなくなった。本当の神戸は日本一泥臭いチーム。それがあっての華麗さなのに、華麗さばかりを追い求めていた」と分析した。

さらに、新たな歴史を刻んだ後輩に向けて「チームには必ず波がある。とはいえ、今回は十数年もの長い波だった。よくぞ、乗り越えてくれた。神戸には今まで積み上げてきた歴史があって、自分たち(V7戦士)もいて、今がある。目的意識、存在価値が明確になっての今回の躍進は、必ず次の世代にも生きる」と手放しで褒めた。