初優勝に王手をかけた大阪桐蔭(大阪第1)に、1人だけ古いヘッドキャップを付けて好タックルを連発する選手がいた。この日が18歳の誕生日だった高校日本代表候補のCTB松山千大主将(ちひろ、3年)だ。

同校OBだった兄元太さん(大体大3年)が高校時代に使っていたもので、松山は「先輩たちと、僕の兄2人も、この花園で日本一になれなかった。その思いを背負って戦っているので、最後まで勝ちにこだわりたいです」と真剣な目で話した。

松山とCTBでコンビを組んだ高本幹也(3年)も、視野の広さを生かし、何度も相手守備陣を混乱させる突破を披露。前半12分にはゴール前スクラムからのサインプレーで、ブラインドを突いた高本から松山がトライを挙げた。2人とも帝京大に進学予定。高本は「昨年、決勝を経験しているので、今回は余裕があります。周りが見えるし、チームの雰囲気もいい。これまではFWがチームを引っ張ってくれたので、試合前には今度はBKが引っ張ろうと声をかけ合っていました」と明かした。