2大会ぶり7度目の全国制覇を目指した東福岡は38-46で、桐蔭学園(神奈川)とのAシード対決に屈した。昨春の選抜大会準々決勝でも敗れており、攻撃オプションに加えたFWのモールから、2連続トライで一時逆転する意地を見せたが、リベンジは果たせず。花園では過去4戦3勝1分と好相性だった相手に花園初黒星を喫し、2大会連続4強に終わった。大阪桐蔭(大阪第1)は流通経大柏(千葉)を下し、明日7日の決勝戦は、桐蔭学園との“桐蔭対決”となる。

試合終了の瞬間、主将のフッカー福井翔(3年)は涙をこらえた。「悔しいがやりきった。福岡代表として、メソメソ泣くのではなく胸を張って帰らないと格好悪い」と前を向き「2年生が必ず花園をとって(雪辱して)くれると思う」と後輩に夢を託した。

藤田監督も「点数的には形になったが完敗。ブレークダウン(密集での攻防)の精度、スピードの差を考えると、相手が2枚ぐらい上手だった」と感じたほど難敵だった。だが、九州王者の意地も見せつけた。

前半はミスから自滅。得点を重ねられたが、後半にFW戦へ変え、食らいついた。同4分、福井主将が最後尾から持ち込み、24-24となる同点トライ。昨年の国体決勝で右足半月板を損傷し、今大会後に手術の予定もあるというが、その痛みも忘れ、必死のプレー。同7分には、強みのFW8人モールから2連続トライで逆転。31-24とリードしたが、最後は力尽きた。

選抜で桐蔭学園に敗れ、1対1で負けないフィジカル強化の必要性を痛感。課題を「外側のブレークダウン」とし、福井主将は「絶対負けない自信をつけてきた」と言い、リベンジ戦に臨んだ。前々回の優勝チームはFW平均体重が100キロ超。当時の迫力はなくとも、今年の“スモール・ヒガシ”は、モールも攻撃オプションに加え、強みにしてきた。

開幕直前、FW陣は地元大学生を相手に練習。速いテンポでボールを動かす伝統の高速ランニングラグビーで勝ち進んだ。前日4日には、桐蔭学園の準々決勝映像を研究。防御面を重点確認するなど、対策を重ねたが、またしても4強の壁に屈した。【菊川光一】