ラグビーW杯で日本と同じA組の世界ランキング9位のスコットランド代表が、同15位のサモア戦(30日)に向け、会場のノエビアスタジアム神戸で前日練習を行った。

初戦のアイルランド戦では1トライも奪えず、3-27で完敗。初戦を快勝したサモアが相手だけに、ウオーミングアップを終えると、真剣な表情でFWとBKに分かれ、約1時間汗を流した。ウィルソンアシスタントコーチ(AC)は「けが人もいなくていい状態。フィジカルでしっかり結果を残したい」と意気込みを語った。

27日に日本がアイルランドに勝利した試合を見たという主将のマキナリーは「本当に素晴らしい。勝ちに値する試合をしていた。自国開催のプレッシャーがあったにもかかわらず、ボールをきちんとフォローしていたし、ディフェンスもしっかりしていた」と称賛。だが、日本が勝利したことで、8強進出は厳しくなったのも事実。初戦のアイルランド戦に敗れたことで、サモア戦は勝利だけでなく4トライ以上で得られるボーナスポイントも重要になってくるが「我々にとっては残念な結果になった。ボーナスポイントも必要だが、まずはサモアに勝つこと。それが大きなテーマ」と勝利優先でチームを引っ張る覚悟だ。

スコットランド代表は、今大会、以前から交流のある長崎市でキャンプを行った。4月にマーク・ドットソンCEOが長崎市を訪れた際に、同市をイメージして作った「長崎タータン」をユニホームに付けてプレーすることを発表。緑を基調とし、市の花であるアジサイをイメージしたオリジナルのデザインが入っている。この日も襟から肩にかけてとパンツの部分に模様の入ったユニホームで練習を行った。

まだ1敗だが、状況は厳しくなった。ウィルソンACは「まだ3試合残っている。ボーナスポイントを取るのが難しいことは理解している。まずは勝つチャンスを得ることだ」と力強く語った。最終戦となる13日の日本戦では、1次リーグ突破をかけた試合になる可能性が高い。長崎市の熱い応援を受けるスコットランドは、サモア戦に勝利し、望みをつなぐ。【松熊洋介】