<ラグビー・トップリーグ:三洋電機19-9サントリー>◇5日◇東京・秩父宮ラグビー場
三洋電機がサントリーとのナイター開幕戦を19-9で制し、初制覇に向けて大きな白星を挙げた。昨季プレーオフ決勝で敗れた因縁の相手に、元ニュージーランド代表のSOトニー・ブラウン(33)の4PGなど、キックを中心とした組み立てで快勝した。守っても2連覇を狙うサントリーの攻撃を速い出足の防御で封じて、ノートライに抑えた。昨季の日本選手権優勝で得た自信で、ひと回り成長した姿を披露した。
勇退した宮本勝文氏に代わって、今季から三洋電機を率いる飯島均監督に笑顔が絶えなかった。「ノートライに抑え、臨機応変にゲームを組み立てた選手を心強く思う」。当初はボールを動かす展開を考えていたが、途中からキック中心に変えた。蒸し暑い天候。汗でボールを持つ手が滑る。攻めてミスをするより、手堅い戦法を選択したのが勝利につながった。
10-9で折り返した後半。ブラウンの足が火を噴いた。的確なハイパントでFW陣を前に進め、3本のPGを確実に決めた。16-9と突き放す4分のPGは48メートルの長距離砲だった。ブラウンは「周りの状況からキックが有効。頭の中にはまず敵陣でプレーすることがあった」と話した。ゲーム主将のWTB三宅敬によると、キックだけでもオプションが5種類以上あるという。「ボールを1度、手放すリスクはあるが、奪い返す力がある」。
持ち前の堅い防御も随所に見せて、高い攻撃力を誇るサントリーをノートライに抑えた。三洋電機の今季のテーマはチャレンジとノーパニック。「パニックになると自滅する。どんな状況になっても冷静さを保つ。きょうはこれが80分間、通せた」と三宅は胸を張った。飯島監督は「順位争いは最後までもつれる。サントリーを0点に押さえたことの持つ意味は大きい」と言う。
今では宿敵となったサントリーに日本選手権決勝に続いて2連勝。これでまた1つ自信を蓄えた。約1万5000人の観客が見守る中、初制覇へ力強いスタートを切った。【三角和男】


