<ラグビー・トップリーグ:ヤマハ発動機14-7福岡サニックス>◇第11節◇4日◇福岡・グローバルアリーナ

 ヤマハ発動機が、14-7で福岡サニックスに競り勝ち、09年を白星で発進した。試合開始から、めまぐるしいキック合戦でロースコアの接戦となったが、開催地の福岡出身のFB五郎丸歩(22)が1トライ、3PGと1人でチームの全得点を挙げる活躍を見せて、逃げ切った。3連勝で勝ち点は30の大台に到達。順位は前節までと同じ7位のままだが、リーグ2戦を残して、日本選手権の出場権圏内の6位NEC(勝ち点31)まで勝ち点1差に迫った。

 苦しんで苦しんで、ヤマハ発動機が貴重な白星をもぎ取った。7点リードで迎えた終盤の2分間。ホームの大歓声を背に、一方的に攻めるサニックスの猛攻を15人で耐え抜いた。相手BKの横パスをプロップ山村亮主将(27)が奪い取り、その場でできたラックから途中出場のSH佐藤貴志(27)が、必死にボールをタッチに蹴り出して、やっとノーサイドの笛が鳴った。「とにかく勝ったことを喜びたい」と山村主将が汗だくの顔で話した。

 壮絶な「空中戦」だった。互いに少しでも陣地を確保しようと、序盤からBK陣がロングキックを連発。左右への展開のほとんどない内容に終始した。そんな中、SO大田尾竜彦(26)FB五郎丸ら、キック技術にたけた選手の差で、サニックスを上回った。司令塔の大田尾は「うちの強みは、走れるBKをそろえていることなのに、彼らを生かせてあげられなかった」と猛省した。80分間、頭の上にボールを追って走り回ったWTB冨岡耕児(28)は「試合後に体重を量ったら、3キロも減っていた。いつもの倍ですよ」と疲れ切った顔で笑った。

 大味な試合を、生まれ育った地元で張り切った五郎丸が盛り上げた。後半2分に、相手2人を引きずりながら左隅にトライを決めた。勝負どころでPGを3本決めて、マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれた。9月の近鉄戦でも受賞したが試合後の危険行為が発覚して取り消された因縁の賞。「やっと戻ってきましたね。自分の仕事はしっかりできました」と喜んだ。もう、負けない。残り2試合。勝ち方を思い出したヤマハ発動機が、逆転での日本選手権出場権獲得へ突き進む。【大石健司】