<ラグビー強化試合:日本代表10-13サモア代表>◇30日◇東京・秩父宮ラグビー場

 カーワンジャパンが来年9月の開幕のニュージーランドW杯へ向けて、手痛い黒星を喫した。世界ランキング13位の日本代表は、同12位ながら“1軍半”のサモア代表に10-13で逆転負け。前半10-0とリードしたが、後半にミスを重ね失速。同29分に、逆転トライを奪われ、そのまま終了のホイッスルを聞いた。11月6日にはロシア代表戦を控えるが、いかに立て直せるか。日本代表の険しい道のりは続く。

 気温10度、降り続く雨がカーワンジャパンの涙雨になった。世界ランクはサモア代表の12位に対して、日本が13位。だが、サモア代表は最多キャップが15、メンバー22人中、9人が代表デビュー戦だった。その若いサモアにあっさり試合をひっくり返された。6月のパシフィック・ネーションズ杯では11年ぶりに、サモア戦で勝利。今回は「勝ちにこだわる。ランキング12位のサモアに勝って、目標のトップ10入りに近づく」というカーワンHCのもくろみは崩れた。

 前半1分にCTBニコラスのPGで先制。同7分にはNO8ホラニ龍コリニアシがトライを奪った。だがその後が続かない。ラックからSH田中へとボールがしっかりリリースできず、攻撃が組み立てられない。サモアが後半開始からSOを代えると日本陣内に押し込まれた。2つのPGで4点差に詰め寄られると、同29分には左サイドから展開され、SHカーンに逆転のトライを決められた。

 フランカー菊谷主将は「前半の20分までは、いい立ち上がりだった。そのあとミスが出た」と反省を口にした。SH田中は「チームとしても、個人としてもミスが多かった。フォワードを使うかバックスを使うか、コミュニケーション不足」と唇をかみしめた。

 カーワンHCは「トライを取れるところで、ペナルティーを犯した。重大な局面で判断ミスが勝負を決めた」と振り返った。今季の代表戦は、11月6日のロシア戦が最後。来年のニュージーランドW杯へ向けて、結果で証明しなくてはならない。【小谷野俊哉】