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康生「自分の柔道にがっかり」/世界柔道

- 微妙な判定をめぐり協議に向かう審判を不安げに見詰める井上(共同)
<柔道:世界選手権>◇13日◇男子100キロ超級◇ブラジル・リオデジャネイロ
【リオデジャネイロ=菅家大輔】日本柔道が誇る重量級2人がまさかの敗北を喫した。男子100キロ超級の井上康生(29=綜合警備保障)は2回戦で18歳の欧州王者リネール(フランス)に終了間際に返し技を食らい優勢負け。3位決定戦でもメダル逃した。
喜ぶリネールを横目に、ぶ然とした表情で畳を降りる井上の背中に五輪金メダリストの迫力はなかった。3位決定戦でも敗れ、まさかのメダルなし。「自分の柔道にがっかりしている。(100キロ超級という)階級ではなく、自分に対するカベを感じた」。いつもの強気な姿勢はなかった。
微妙な判定だった。残り6秒、小内刈りで仕掛け、リネールに尻もちをつかせた。だれもが井上のポイントと思った瞬間、倒れたリネールが左手で強引に柔道着を引っ張ると、井上の体が飛んだ-。一瞬の沈黙の後に「有効」の声。それはリネールに与えられたものだった。
微妙な判定に場内もブーイングに包まれた。だが、2メートル、120キロの18歳の怪物を前になすすべがなかったことも事実。リーチの差でつり手も襟も取れず、得意の内またも完全にすかされた。最重量級転向後、初の世界大会で、負けパターンを繰り返してしまった。「想像以上に(差が)離れていた部分がある。今までの(負けと)違うのはそこです」。現実の重さを一番分かっていたのは井上だった。
4月の全日本選抜体重別と全日本選手権で敗れた後、精神的な袋小路にはまり、父明さんとの同居生活を一時解消。自分を見詰め直し、調子を取り戻した。7月下旬の八代合宿で合流予定だった父明さんに「もう少し1人でやりたい」と合流延期を告げたことも初めて。明さんも「驚いたし、自立したと感じうれしかった」と話した。そんな精神面の充実も結果にはつながらなかった。
判定に負けたという見方もできる。だが、井上の表情には現状への迷いと戸惑いが浮かび上がっていた。「自分の柔道にズレを感じる。(アテネ五輪の負けより)今回の負けの方が大きい」。無敵の王者として君臨したかつての強さを取り戻せるのか。北京五輪まで残された時間は短い。
[2007年9月15日9時17分 紙面から]
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