柔道の世界選手権(26日開幕・ロッテルダム=オランダ)でメダル量産を狙う日本チームを、昨年引退したシドニー五輪金メダリストの井上康生氏(31)がサポートしている。全日本柔道連盟の特別コーチの立場で選手を指導するため、留学先の英国から駆けつけた。
「このチームをずっと見てきたわけではないので、できることは限りがある」と言いながらも、鋭い視線を選手に向ける。世界選手権では1999年のバーミンガム(英国)大会から100キロ級で3連覇を果たしたが、2007年リオデジャネイロ大会では敗退。五輪も含めて栄光と挫折を味わってきた。代表の重圧も嫌というほど知っている。「どれほど緊張するかとか、直前に必要なことなどは分かるつもり。できる範囲で手伝いたい」と話す。
調整では90キロ級の小野(了徳寺学園職)の乱取り相手を積極的に務めている。「少しでも実戦に近い方がいいと思って」と、外国勢に多い背中をつかむ組み手で対するなど工夫も凝らす。試合展開に応じ、寝技を交ぜることなどを助言された小野は「康生さんは強いから乱取りも楽しい。もっと前からいてほしかった」と感謝した。
井上コーチは5月には父親になった。英国での新たな環境で指導者としての道を進んでいる。(共同)


