柔道女子78キロ超級で04年アテネ五輪金、08年北京五輪銀メダルを獲得した塚田真希(28=綜合警備保障)が、開催中の世界選手権(東京)を最後に代表引退する意向であることが11日、分かった。全日本柔道連盟の吉村和郎強化委員長が「もう国際大会に出ることはないだろう」と明かした。塚田は9日の78キロ超級で銅メダルに終わり、出場予定だった13日の無差別級も辞退。吉村委員長は「試合を見ての通り、厳しい状態。それだけ燃えるものがないということ。(同級で後輩の)杉本の金メダルを素直に喜んでいた。勝負師が仏の心を持ったらもう終わり。本人が(心境を)言うと思う」と話した。

 塚田は日本女子重量級のエースとして、五輪2大会連続メダルのほか、07年世界選手権の無差別級でも金メダルを獲得した。ただ近年はたびたび進退に悩む心境を明かしていた。昨年の世界選手権で銅メダルに終わった後、同じ東海大OBの山下泰裕氏に相談。「悔いのないように自分で決めろ」と言われ、ようやく現役続行を決断した。普段から仲の良い後輩の杉本の今大会での優勝が、後進に道を譲る契機となったのかもしれない。

 全日本女子選手権は9連覇中で山下氏と並んでいる。来年4月の同大会について吉村委員長は「10連覇がかかっているので、出ると思う」との見通しを語った。塚田にとり、これが引退試合となる可能性が高い。