北島2冠、北京へ弾み/世界競泳

- 男子200メートル平泳ぎ決勝で力泳する北島(撮影・下田雄一)
<世界競泳:男子200メートル平泳ぎ決勝>◇3日目◇23日◇千葉県国際総合水泳場
男子200メートル平泳ぎで、世界選手権金メダルの北島康介(24=日本コカ・コーラ)が2分10秒02で優勝し、今大会2冠に輝いた。左足内転筋肉離れの影響で国内初の2分9秒台突入はならず、最後はギルクリスト(英国)に追い上げられたが、何とか逃げ切った。今季最後の個人種目で08年北京五輪への試練を乗り越えた。
最後は意地だけが、北島の体を動かしていた。残り25メートルを切り、隣のギルクリストが迫った。体半分あったリードは頭1つに縮まり「きつかった。ラスト5メートルは自分の泳ぎじゃなかった」。それでも、先頭は譲らなかった。「普通なら負けるんだけど、悪い状態でも数多くレースをしてきたからかな」(平井コーチ)。優勝インタビューは息の乱れが止まらなかった。全力を出し切った証しだった。
痛み止めも服用した今大会。だが、100メートルまで世界記録より速いペースで入り、日本記録も150メートルまで上回った。練習不足から最後は失速したが、2冠というエースの使命を果たした。左足故障からのリハビリに励んだ国立スポーツ科学センターの風呂場では、いら立って備品を蹴り上げたこともあっただけに「よく我慢できた。ケガと闘ったかいがあった」と自分に言い聞かせた。
春先から上半身を強化してきた。器具を使った筋トレ量を減らし、代わりに自体重トレの時間を2倍近く増やした。腕立て伏せなどで肩や背中を補強。大会10日前まで約4カ月も続けた。「アテネ五輪後、こんなに継続できたのは初めて」という腕が、足の故障を支え抜いた。2分10秒02は国内最高。平井コーチは「強いキックが加われば、100メートルは58秒台、200メートルは2分7秒台が見えてくる」と手応えを感じた。
世界選手権から5カ月。ライバル・ハンセン不在で獲得した金メダルは、どこにあるかも知らない。「この経験が自分を大きくしてくれた。信じた道をあと1年、行きたい」。北島の目は、もう北京しか見えていない。【今村健人】
[2007年8月24日8時43分 紙面から]
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