北島が決めた鮮やか銀/世界水泳

- 銀メダルを獲得しガッツポーズで喜ぶ右から北島、山本、森田。手前は細川
<水泳世界選手権:競泳>◇1日◇オーストラリア・メルボルン、ロッド・レーバー・アリーナ◇男子400メートルメドレーリレー
【メルボルン=今村健人】競泳男子400メートルメドレーリレーで、日本が北島康介(24)の活躍で3分35秒16の日本新記録をマークし、五輪、世界選手権を通じて同種目最高の銀メダルに輝いた。4位で引き継いだ第2泳者で北島がトップに立ち、最後はアンカーの細川大輔がオーストラリアに抜かれたものの、2位に滑り込んだ。予選で優勝候補筆頭の米国が失格したこともあり、五輪も含めると3大会連続の銅メダルから昇格した。マイケル・フェルプス(米国)は400メートル個人メドレーで優勝し、1大会最多となる7冠を達成した。
北島の口から久々に、はじける言葉が飛び出した。「気持ちいいっすね~。リレーでメダルを取って。みんなで1つになれた結果です」。日本記録を0秒06更新し、五輪、世界選手権を通じてメドレーリレー初の銀メダル。主将の山本ら仲間とじゃれ合う中に、会心の笑みが浮かんでいた。
王者の意地と誇りがあった。第1泳者の森田から4番手で引き継ぐ直前、横を見て相手を見定めた。対決していたであろう宿敵ハンセン(米国)は、いない。「絶対に1番で帰って(山本)貴司さんにつなげる」と飛び込むと、残り25メートルで3人をごぼう抜き。2位を0秒42も離した。それでも、最後の細川がかわされたオーストラリアとの0秒23差に「(59秒23の)ボクが58秒台で来れば勝てたっすね」と悔やむほどだった。
五輪を含めて世界大会の3連続銅から銀へ。その流れを導いたのも、予選での北島だった。隣を泳ぐ優勝候補筆頭米国を追いかける展開で、第2泳者のアッシャーを最後に突き放した。その逆転劇が米国の焦りを呼ぶ。第3泳者クロッカーが、気持ちがはやったか、タッチ前に飛び込むフライング。「試合前からそんな予感があったんですよ」と失格を誘い、北島はにんまり笑った。
体調は盤石ではなかった。連戦の疲れもあって風邪をひき、のどを痛めた。前日はプールに1度も入らずにホテルで休んだ。だが「熱は出なかったし、そんなこと言ってられないから」と軽く笑った。体調不良で200メートル平泳ぎを棄権したハンセンとは違った。
個人種目に限れば、自己ベストを出せなかった。だが、アテネ五輪以来の世界一には返り咲いた今大会。「勢いをもう1回取り戻すことができた。ベストも出せるという確信はつかめた」。帰国してすぐに日本選手権がある。「引き続き良い泳ぎができればいいな」。つぶやいた瞳には、確かな自信が宿っていた。
[2007年4月2日9時8分 紙面から]
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