北の湖日本相撲協会前理事長(55=元横綱)が、現役時代の八百長疑惑記事を掲載した週刊現代発行元の講談社などに、名誉棄損で損害賠償などを求めた民事訴訟の口頭弁論が16日、東京地裁で行われた。午前の法廷では被告側証人として元小結板井圭介氏、被告本人の同誌で記事を書いたライターの武田頼政氏が出廷し、尋問を受けた。
同記事では前理事長が横綱だった75年春場所千秋楽で大関貴ノ花(先代二子山親方、故人)との優勝決定戦で敗れた一番が八百長とされているが、武田氏はこれらの情報源が、先代二子山親方元夫人の藤田憲子さんだと明言した。「記事を書く時には、書くことを報告して了承も得た。訴訟になった場合は証人として出廷してもらう約束もあった」などと話し、被告側が藤田さんを証人申請した経緯も明かした。しかし、この日、藤田さんは出廷はしなかった。
板井氏は自身と北の湖が対戦した84年7月11日の名古屋場所での取組について「八百長でした。私から持ち掛けて、50万円をもらう形で成立したと思う」などと証言した。その一方で、「今年秋場所の相撲を真剣に見たところ、八百長は15日間を通しても20、21番ぐらいと感じた。私が幕内にいた当時(80年秋~91年秋)は75~80%が八百長だったが、随分と減った。これは八百長報道の効果だろう」とも話した。
また板井氏は、この記事とは別に00年に週刊現代記者と接触し、八百長情報をリークした経緯を「マンチェスターUのチケットを取ってくれたから、そのお礼です」とも証言。「八百長に証拠なんかあるわけがない。みんな分からないようにやっているんだから」と開き直る発言もあった。

