1級建築士を装い、改装費現金計約6500万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた大相撲の元幕下力士の無職秋本久雄被告(44)に、東京地裁は28日、懲役9年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。

 石井俊和裁判官は判決理由で「相撲界で活躍した事実を織り交ぜ、言葉巧みに被害者を信用させた悪質な犯行」とした。

 判決によると、被告は2005年8月~昨年9月、知人女性3人と、うち1人の母親の計4人に対し、返済する気がないのに「ホテルの改装工事を請け負う資金が足りないので貸してほしい」などとうそを言い、計約6500万円を詐取した。

 被告は1984年、春日野部屋に入門し「秋本」のしこ名で初土俵。西幕下42枚目まで昇進した85年に廃業した。