日本相撲協会が全協会員を対象に14日までに行った賭博行為の実態調査で、力士以外にも親方数人や床山らからも野球賭博を行ったとの申し出があったことが16日、分かった。協会関係者が明らかにした。親方の中には部屋を持つ師匠もいるという。また、15日の緊急理事会で7月の名古屋場所の出場辞退を受理された大関琴光喜関のほか、複数の関取も含まれていたことも分かった。

 今回の実態調査は過去5年以内を対象としていて、親方として力士を指導する立場になってからも野球賭博に手を染めていたことになり、新たな議論を呼ぶのは必至の情勢となった。

 野球賭博への関与には29人が自己申告。関係者によると、現役時代から賭博に手を染めていた上、親方になってから力士ら周囲を誘っていた者もいるという。実態調査で花札やマージャン、賭けゴルフなどを認めた36人の中にも親方数人が含まれているといい、角界と賭博の根深い関係があらためて問われることになりそうだ。

 相撲協会は上申書を提出した合計65人に対し、15日の緊急理事会で厳重注意とすることを決めた。琴光喜関については、警察の捜査の結果を待って最終的な処分を決めることにしている。

 相撲協会は既に、65人にものぼる賭博関与者のデータが書かれた上申書を警視庁に提出。捜査の結果次第では今後、琴光喜関以外の関与した協会員への処分を、さらに厳しいものにする可能性がある。