日本相撲協会の賭博問題を調査する特別調査委員会の望月浩一郎委員(弁護士)は22日、協会の実態調査で野球賭博への関与を認めた29人の中に協会でもっとも重い「除名」や「解雇」など協会からの排除を意味する重い処分を視野に入れる事例が含まれていることを明らかにした。

 21日の臨時理事会で設置が決まった特別調査委は22日から力士数人の事情聴取を開始した。力士の名前、番付、調査場所などは公表しなかった。

 望月委員によると、ポイントは暴力団など反社会的勢力の介入の有無や金額、悪質性で、中心的な役割を果たした人物は協会には残れないとの認識を示した。また、親方や横綱、大関陣は、より責任が重いとした。

 特別調査委は27日までに事情聴取を終えて中間報告をまとめ、7月4日の臨時理事会に、名古屋場所開催の可否や、出場停止力士などを提言するが、報告の中で除名相当だと認められた場合は同日の理事会で処分を決めるように求めるという。

 相撲協会は22日、東京・両国国技館で異例となる臨時評議員会を開き、特別調査委の設置を含めた賭博問題の説明や、特別調査委の事情聴取に応じる旨の要請を行った。7月の名古屋場所に向けては、開催への準備を進めることを確認した。

 親方や大関以上の日本人力士ら101人が出席した評議員会では、野球賭博に関与した29人の名前の公表を求めたり、賭博問題に対する協会執行部の対応の遅さを指摘する声も上がったという。だが、最終的には理事会の方針を承認した。野球賭博関与を認めている大関琴光喜は欠席した。

 陸奥生活指導部長(元大関霧島)は「評議員のみなさんが、この問題を真剣に考えていると感じた。協会全体で取り組んでいきたい」と話した。