大相撲名古屋場所(11日初日・愛知県体育館)のNHK中継中止に、相撲界関係者は6日、さまざまな反応を示した。

 日本相撲協会の村山弘義理事長代行(元東京高検検事長)は記者会見を拒否した。協会広報部を通じ「厳粛に受け止めております。新生した姿で名古屋場所を立派に務めるべく、総力を挙げて取り組みます」などの談話を発表しただけだった。

 4日から謹慎中の武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)。高血圧のため、午前中の文部科学省訪問もキャンセルし、東京都内の自宅で静養中という。同理事長に中止を電話で伝えた山科親方(元小結大錦)によると、体調が悪いせいもあり、寝起きのような低いトーンの声で返事し、中止の一報を受け入れたという。尾車親方(元大関琴風)は「われわれの現役時代を含め、初めての経験。力士の両親とか応援してくれる方にとっても残念だろう」と話した。

 幕内取組にかかる懸賞への影響も懸念される。企業名などが出るため、NHKは懸賞をアップで映すことはないが、広告代理店関係者は「企業は、中継を中止するまでの社会問題に発展したことを重く見るはず。先場所に比べて大きく減る可能性が高い」と分析する。

 相撲協会審判部は物言いがついたときなどに、ビデオ室でNHKの映像を見て、土俵にいる審判に状況を助言する。協会の担当者は「中継はなくなるが、取組の撮影は続けるということなので、判定用には困らない」と説明。相撲協会が携帯電話向けの情報サイトで実施している幕内全取組の動画配信は続けるという。