大相撲の野球賭博事件で、胴元として力士らから賭け金を集めて賭博を開催したとして、賭博開帳図利罪に問われた元十両古市貞秀被告(35)と母米子被告(64)の判決で、東京地裁は13日、それぞれ懲役10月、執行猶予3年(いずれも求刑懲役10月)を言い渡した。

 判決理由で今崎幸彦裁判長は、貞秀被告について、後輩の力士らを賭博に誘い込み、暴力団組員を含む顧客を相手にしていたと指摘。「国技と呼ばれ、多くの熱心なファンを持つ大相撲への信用を失墜させた責任は軽くない」と述べた。

 米子被告に対しても「わが子を止めるどころか、貞秀被告の依頼を引き受けて犯行を助長し、必要不可欠な役割を果たした」とした。

 一方で、犯行を認め、反省の態度を示している点や、貞秀被告が日本相撲協会を懲戒解雇されたことを考慮、刑の執行を猶予した。

 判決によると、2人は昨年5月、千葉県習志野市の阿武松部屋などで、プロ野球交流戦を対象に力士ら4人に計28万円を賭けさせた。