<大相撲名古屋場所>◇4日目◇13日◇愛知県体育館

 大関魁皇(38=友綱)が歴代最多1045勝に並んだ13日、地元の福岡県直方市は快挙の喜びに沸いた。初日から4日間待ち続けた後援会の内藤博俊会長(72)は魁皇の体を気遣いながら「満身創痍(そうい)の中、よく頑張った。1年でも2年でも長く取って、記録を伸ばしてほしい」と笑顔で話した。

 市内に設けられた応援会場には大型ビジョンが設置され、約100人が勝負を見守った。魁皇が画面に現れると、ペットボトルをたたきながら「魁皇!魁皇!」と声援を送った。勝負前に静まり返った客席は勝った瞬間に総立ちとなり、大歓声とともに紙吹雪が舞った。記録を祝うくす玉が割られ、会場に集まった地元ファンは万歳三唱で祝福した。

 名古屋場所が開催されている愛知県体育館で観戦した母の古賀栄子さん(66)は「勝った瞬間は体が震えた」と表現し「(連敗中の)3日間、応援してくださる方々に申し訳ない気持ちだった」と周囲を気遣う様子を見せた。市内の自宅でテレビ観戦した父の古賀誠二さん(69)は「とにかくほっとした。顔を見て本人はまだ気力があると感じていた」と話した。魁皇が勝つと市内で打ち上げられる花火は、勝ち越した時と同じ5発が心地よい音を響かせた。