<大相撲名古屋場所>◇11日目◇20日◇愛知県体育館

 大関魁皇の引退に、これまで胸を合わせてきた力士たちがさまざまな思いを口にした。

 同部屋の弟弟子、魁聖は10日目の朝に「きょうの一番で負ければ引退」と、若い衆から伝え聞いていたという。現役最後の一番を支度部屋のテレビで見届け「負けた瞬間はがっかりした。寂しいですね」とつぶやいた。

 何度も稽古場で胸を合わせた35歳の高見盛は「いろんな意味で大きい人。力も心も懐も」としんみり。人気力士がまた一人土俵を去ることになり「自分もやめるわけにはいかない。限界までやらなきゃ」と気合を入れ直していた。

 37歳の栃乃洋はこれで関取最年長となった。魁皇と同じ左四つを得意とするが、対戦成績は12勝25敗だった。「ただ差すだけでは駄目というのを教えてもらった。(番付が)上がったり下がったりしている自分とは違う。ずっと上にいたのはすごい」と話した。

 10日目に魁皇を倒し、現役最後の相手となった琴欧洲は「びっくりした。魁皇関がそういう考えだと分からなかった。まだ実感はない」と神妙な表情を浮かべた。