大関昇進の決まった琴奨菊(27=佐渡ケ嶽)は約150人の報道陣を前に、笑みを交えて心境を語った。

 -伝達式を終えた。

 「今日を境に大関になると思うと、うれしくて待ち遠しかった。徐々に大関を実感している。先輩大関を見て、人ごとのように思ってきた部分があった。自分がこういう立場に立つと思っていなかったが、誇りに思う」

 -大関とは。

 「すごく高い地位。相撲だけじゃなく、視野を広げて相撲協会のことも考えなきゃいけない」

 -その点での自覚は。

 「これまで力士会で(引退した大関)魁皇関に頼りっぱなしだった。稀勢の里もすぐに上がってくると思うので、これからは自分たちが自覚して相撲界を引っ張りたい」

 -「万理一空」とは。

 「いろいろな意味に取れるが、自分としては目指す先は一つであり、目標を見失わずに努力すること(の大切さ)を考えた。稽古の先に光がある。メンタルを強くし、努力と心が交わったところに大関があった」

 -発奮材料は。

 「ライバルが自分を大きくしてくれた。去年の九州場所で、豊ノ島が横綱(白鵬)と優勝争いし、稀勢の里が横綱の連勝を止めた。すごく悔しかった。次は自分が、という気持ちだった」

 -今後への意欲は。

 「もっと足りないものを見つけて克服することで、自然と横綱に近づく。一日一日を大切にしていきたい。優勝できるように頑張りたい」