稀勢の里の両親も茨城県牛久市から福岡市東区の鳴戸部屋宿舎に駆け付け、息子の晴れ舞台を喜んだ。父の萩原貞彦さん(65)は「助走期間が長かったけど、なるべくしてなったという感じですかね」と誇らしげに話した。

 貞彦さんによると、千秋楽翌日に電話で、稀勢の里関から「来てくれ」との誘いがあった。15歳のときに愛息を預けた師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)の急死を乗り越え「九州場所は(亡き)親方のために、という気持ちになったと思います。それがよりどころになり、落ち着いて取っていましたね」と分析した。

 母の裕美子さん(56)によると、12勝した9月の秋場所後、部屋の稽古休みを利用して珍しく約1週間の長期間、実家に帰省した。「かなり疲れていた様子だったけど、友だちといっぱい会ってリフレッシュできたと思います。うれしいですね」と、ほおを緩めた。