公益財団法人認定に向けた組織改革の工程表作成が難航している日本相撲協会は16日、東京・両国国技館で全親方らによる臨時の評議員会を開き、高額の金銭による売買が問題視されている年寄名跡(親方株)の問題について協議したが、14日の会合に続いて合意に至らなかった。

 協会側は年内に監督官庁の文部科学省へ工程表を提出する方針だが、名跡問題をめぐっては、協会一括管理案の賛否について親方衆の意見が分かれている。

 協会関係者によると、16日に評議員へ新たに配布された106項目からなる工程表では、年寄名跡の項目を改訂した。文科省の指摘によるもので「売買を禁じ、協会が襲名者を指名。退職後に功労金を与える」と記されていたという。従来の工程表は「評議員会や理事会の審議待ち。要検討」だった。

 この日の出席者によると、多くの親方衆が改訂版に反発。放駒理事長(元大関魁傑)は「いろんな意見があったけど、大体同じ方向を向いている」と述べた。しかし、新たな工程表には、年寄名跡の取り扱いに限って来年1月末まで議論するとの記述があり、最終決定まで混迷は続きそうだ。

 協会幹部が19日に文科省へ出向いて経過報告する予定。広報部の八角親方(元横綱北勝海)は「工程表はあくまで案。年内に提出する方針は変わらない」と話した。