日本相撲協会は22日、東京・両国国技館で理事会と評議員会を開いて2011年の収支決算を承認し、ここ10年で最大の48億8000万円の赤字となった。八百長問題で3月の春場所を中止し、5月は無料公開で技量審査場所を実施したことで入場券収入などが大きく落ち込んだのが響き、数字的にも相撲協会の厳しい状況が表れた。

 本場所や巡業開催などによる事業収益は54億4000万円で、野球賭博問題で減収となった10年よりも29億8000万円の大幅減。八百長問題で巡業を全て中止したことも影響した。相撲協会の京極善和主事は48億円を超える赤字幅について「記憶にない」としている。

 事業収益の柱である本場所収益は前年より27億2000万円減の48億6000万円。観客の不入りやNHKの放送権料が減少したことで、1場所ごとの収入が減った。

 経常外の支出では、春場所や巡業を中止したことによる相撲案内所(相撲茶屋)や勧進元への補償などで3億7000万円が発生した。両国国技館の土地、建物を含めた相撲協会の正味財産は、375億8000万円に減った。

 北の湖理事長(元横綱)は「本当に厳しい状況に置かれている。これを重く受け止め、早く信頼を回復し、土俵の充実を進めていく」と話した。