<第2回大相撲総選挙

 解説>

 稀勢の里が昨年に続いて最多票数を獲得し、根強い人気があることを証明した。アンケート直前の夏場所で、千秋楽まで優勝争いに絡み、ファンの期待度が票数にも表れた。

 最大のサプライズは、2位に食い込んだ36歳の若の里だ。真摯(しんし)な土俵態度で史上8位の通算832勝。男性票は、最多の140票を集めた。黙々と相撲に取り組む姿勢は、好角家に支持された。

 3位の妙義龍も、玄人が好むタイプ。女性票は、稀勢の里に次ぐ2位だった。「体つきも顔も声も全部好き。でも何より土俵上の彼の相撲が一番好き」(30代女性)との指摘があるように、母性本能をくすぐっているようだ。

 両横綱を除けば、4位の鶴竜は昨年と同順位で、6位の安美錦は昨年3位と、安定的な人気を誇る。舛ノ山はテレビ番組での露出も増え、取り口と笑顔が一般に浸透した。勢と隠岐の海のイケメンコンビは、番付の上昇とともに人気も上向いてきた。

 白鵬は5位に甘んじたが、はがき投票は最多の30票。ネットに比べて、はがきはアナログだけに、投票者の年齢層も高い。「一番強くて、相撲道の神髄を具現化していると思います」(60代男性)との声もあるとおり、高齢のファンは大横綱の強さに安心感がある。

 今回のアンケートはあくまで、2013年5~6月時点でのもの。今回の順位が、来年はどう変わっていくかも興味深い。投票いただき、ありがとうございました。【佐々木一郎】