大相撲の元横綱大鵬、故納谷幸喜さん(1940~2013年)の生誕地、ロシア極東サハリン州中部ポロナイスク市(旧樺太・敷香(しすか))に建てられる大鵬像の木彫りの原型が完成し、制作地の秋田県大潟村で22日、お披露目された。

 制作者の彫刻家で村にアトリエを構える鎌田俊夫さん(69)は、像を前に「大鵬の強さ、優しさ、崇高さを表現した。サハリンの人にも喜んでもらえると思う」と語った。今後、原型から銅像を鋳造し、8月ごろにポロナイスク市へ寄贈する予定だ。

 原型は、綱を締めた化粧まわし姿で高さ約2・3メートル、幅約80センチ。鎌田さんが約10カ月かけて制作した。

 納谷さんの妻は秋田県出身。大鵬像の計画を知った鎌田さんが秋田との縁を感じ、名乗りを上げた。設置を支援する高橋浩人村長ら有志は搬送までに掛かる800万円の寄付を呼び掛けてきたが、18日までに集まったのは約140万円にとどまり、一段の支援を求めている。(共同)