大相撲夏場所(5月11日初日、東京・両国国技館)の新番付が24日に発表され、昭和以降8位の年長記録となる32歳1カ月で新小結に昇進した嘉風(尾車)は東京・江東区の部屋で会見し「信じられない気持ちと、少しうれしい気持ちです」と素直な心境を明かした。

 04年初場所で初土俵を踏んでから10年。06年初場所の新入幕から所要49場所での新三役は史上4位のスロー昇進となった。「いずれ(三役に)なれるだろうという根拠のない自信があった。そう思っていたので(入幕から)8年かかったのかな」と苦笑いした。

 昨年の九州場所で、2勝6敗から千秋楽に勝ち越しを決めた時に「目いっぱい力を出し切って勝った後の感覚がやみつきになった」という。直後の12月25日には長男凌聖(りょうせい)くんも誕生した。「今年に入って、上を目指す気持ちが強くなった」と、すべてがプラスに働いたようだ。

 師匠の尾車親方(元大関琴風)は「嘉風は、30歳すぎてもずっと子ども。いい意味で言えば純真。悪く言うと成長していない。やればできる子。まだまだ伸びしろがある」とハッパをかけていた。嘉風も「3横綱を倒した人っているんですか?」と尋ねるなど、意欲を見せていた。