<大相撲夏場所>◇6日目◇16日◇東京・両国国技館

 先導の行司が一時不在となり、幕内土俵入りが中断するハプニングがあった。

 西の幕内土俵入りが終わり、東の花道から幕内力士が入場しようとする時だった。6日目の先導を予定していた式守錦太夫が、いつまでも現れない。土俵下では、呼び出しの旭(あきら)が約1分半にわたって、拍子木を打ち続けた。入場できない幕内力士は花道でざわつき始め、西の土俵入りを終えた木村恵之助が急きょ、東も先導して事なきを得た。

 付け人から先導役だったことを伝えられず、ハプニングを起こしてしまった錦太夫はその瞬間、すでに行司部屋で装束を脱いでしまっていた。一連の騒動後「単純に日にちを間違えてしまいました。いつもは付け人が伝えてくれるんだけど、それもなかった。でも、人のせいにしてはいけません。自分でも確認しなきゃいけない。お騒がせしてすみません」と平謝りした。

 旭は「(拍子木を)止めるわけにいかなかった。血が逆流しました」と、珍しい事態に冷や汗。代役を務めた恵之助は「『いないから、来て!』と言われて…。いつでもいけるようにはしていました」と振り返った。

 幕内土俵入りの先導役は、幕内格行司が1場所に3、4日、交代しながら務めている。