＜大相撲秋場所＞◇７日目◇２０日◇東京・両国国技館

　誰が「モンゴルの怪物」を止めるのか－。日に日に注目が高まる中、仕留めたのは西前頭５枚目の勢（２７＝伊勢ノ海）だった。新入幕で６連勝の東前頭１０枚目の逸ノ城（２１＝湊）を上手投げ。割れんばかりの喝采を浴びて「歓声が気持ちよかった。今日は力を出せた感じがある。スッキリした」と喜んだ。

　立ち合いで右を差して、前に出るも止められた。同時に鼻血も出て「待った」がかかる。呼吸も苦しい。だが「我慢だと思った」。

　相手の寄りをこらえて、さらに頭を押さえつけられた上手投げにも、足を出して踏みとどまる。すると、すかさず体を入れ替えて寄り返した。最後は投げの打ち合い。５９秒９の熱戦を制して、５勝目を挙げた。

　取組後はＮＨＫからインタビュー室に呼ばれた。横綱、大関を倒したわけでもなく、勝ち越したわけでもない。番付上は、格下の相手に勝っただけ。「えっ、なんで呼ばれたのか…」と一瞬、ぽかんとしたが「ま、ま、ありがたいことですが…」と苦笑いしながら、感謝していた。