今年の春場所で引退し、10月4日に両国国技館で断髪式を行う琴欧洲親方(31=元大関)が30日、都内で「今、ここで勝つために

 琴欧洲自伝」(徳間書店)の刊行記念サイン会を開いた。「日本に来たときからの言葉の壁、稽古の厳しさ、食事をどういうふうに乗り越えてきたかを多く書いている。多くの写真もあって、見やすく読みやすい本になっているんじゃないかと思っています」とPRした。

 この日は「最後かな」という、まげと着物姿のセットで登場。食事も量を減らしたことで、体重は現役時代から25キロもやせて130キロほどになったといい「少し着物が大きくなりましたね」と笑った。

 引退相撲に向けて多忙を極めており「今までにない経験。こんなにうれしいことはないが、毎日が24時間じゃ足りません。時間があったら寝たい。8時間でも寝たい」と打ち明けた。まげを切る寂しさについて聞かれると「まだそこまで(考える)余裕がないです」と苦笑いした。

 また、秋場所で大活躍した逸ノ城(21=湊)についても触れて「昨年の九州場所前に稽古に来た。自分がまだ大関だったので、1年以内に対戦するのではと予想しました。実現できなかったが、1年以内に幕内上位とそうなったことに驚いた」という。横綱になれるかと聞かれると「それは誰にも分からない。本人の努力と、けがしないことが一番。それがなければ、どんどん駆け上がっていく」と太鼓判を押した。