西前頭3枚目の嘉風(32=尾車)が21日、香川・高松巡業で精力的な稽古を行った。

 秋巡業で初めて朝稽古の土俵に上がると、大関豪栄道らとの申し合いの後、横綱鶴竜から指名を受けて三番稽古もこなした。計24番で汗を流した後は、鶴竜とのぶつかり稽古で砂まみれになった。「久々なので慣らすつもりだったけど、予想外の展開でした」と苦笑い。それでも「稽古をつけていただくのはありがたい」と感謝。「安美錦関が『相撲とりは疲れるのが仕事』と話していた記事を見て、そうだと納得したんです」と、稽古後は充実した表情を浮かべた。

 師匠の尾車巡業部長(元大関琴風)は「オレは28歳で辞めてるから、30歳になってどうやって気力を保つのか分からない。だから、本人に任せている。せっせと体のケアもしているから、あの年でも勝てるんでしょう」と目を細める。

 大分県出身の嘉風にとって、九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)はご当所場所になる。三役返り咲きを狙う32歳は、地元で奮起するために元気に動き回った。